2013年実施の投資被害110番
先物取引被害全国研究会の呼びかけにより,各地の単位会・研究会の協力を得て,平成25年2月21日,22日を中心に全国各地で投資被害110番が実施された。
国内・海外先物取引は,平成23年1月,改正商品先物取引法が全面施行となり不招請勧誘禁止が導入されて以降相談件数は大幅に減少しているものの,なお被害の根絶には至っておらず,業界からは不招請勧誘禁止の緩和・見直しを求める強い圧力もあり,継続的な被害実態の把握と救済が必要である。
また,CO2排出権取引をはじめ規制の隙間を狙った詐欺的商法の被害も発生しており,さらに,医療機関債詐欺に見られるように,高配当をうたったファンド等への投資商法被害も相変わらず多く,社員権,未公開株,社債,通貨,種々の権利の販売や投資を巡る被害が高齢者を中心に,今なお発生し続けている。当研究会では,こうした詐欺的投資被害について,平成23年から全国一斉刑事告訴や警察庁との懇談を行うなどして,取組みを強化しているところである。
そこで,これら投資取引被害の実態を調査し,救済を図るとともに,立法への働き掛け等につなげていくための資料とする目的で,今年度も,全国一斉投資被害110番を企画したものである。
なお,集計は,基本的に110番聴取用紙の記載をもとにしている。
過去4年間の相談件数の推移
実施年度 | 件数 | 商品先物 (国内) | 海先・ CFD | 海先OP | FX | 未公開株 | 社債 その他 | 銀行 証券 |
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2013年度 | 236 | 6 | 12 | 0 | 2 | 163(※) | 31 | |
2012年度 | 246 | 16 | 6 | 0 | 6 | 142 | 36 | 40 |
2011年度 | 517 | 33 | 84 | 12 | 5 | 154 | 188 | 41 |
2010年度 | 395 | 28 | 33 | 7 | 14 | 313(※) |
国内公設商品先物取引について
国内公設商品先物取引についての相談は,第一商品(H15.6.20〜),大石商事(アスカフューチャーズ)(不明),コムテックス(H25.1.29〜H25.2),カネツ商事(H1〜H11),同(H20.4〜H23),グローバリー(不明)の6件であった。
このうち,改正法施行後のものはコムテックスの1件であり,電話勧誘との記載があるが詳細は不明である。
グローバリー(現,ニューザック),取り戻してあげるという二次被害に関連した相談であった。
今回の110番の結果を見る限り,被害は減少傾向である。
未公開株,社債等,詐欺的金融商品
未公開株,社債等,詐欺的金融商品による被害は,減少したとはいうものの高水準であることは相変わらずである。
なお,内容の多様化傾向が顕著であり,分類が難しくなっている。
詐欺的金融商品に関する年齢別被害件数,被害金額は別紙のとおりである。